皆さん、こんにちは。愛知県豊橋市を拠点に、電気工事の設計から施工、メンテナンスまで手掛けているK's電設です。
かつてはさまざまな場所に使用されていた蛍光灯ですが、今後その蛍光灯の製造が中止になることをご存知ですか?今回は蛍光灯の製造中止についての概要や、LEDとの比較、LEDのメリットなどをご紹介します。
■2027年に蛍光灯の製造が中止になる!
蛍光灯の製造・輸出入は、2027年末までに禁止されることが決定しています。まずは2027年問題の概要や、蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることになった背景について解説します。
・2027年問題とは
2027年問題とは、2027年末までに蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることを指します。これは、2023年にスイスのジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議」において決定されたもので、一般照明用の蛍光灯の製造・輸出入を2027年までに段階的に廃止するという内容です。経済産業省は、2030年までにすべての蛍光灯を置き換えることを目標としています。
種類別の廃止日は、直管蛍光ランプと環形蛍光ランプが2027年12月31日、コンパクト形蛍光ランプが2026年12月31日となっています。ただし、すでに使用している製品の継続使用や、廃止日までに製造された製品在庫の販売については禁止されるわけではありません。
参照:https://www.env.go.jp/content/000200659.pdf
・蛍光灯の製造・輸出入禁止の背景
蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることになった背景には、蛍光灯に含まれる水銀による「健康被害の防止」と「地球環境への配慮」があります。
水銀は毒性が高く、水俣病の原因となることが知られています。水俣病とは、頭痛や耳鳴り、言語障害、視野狭窄、歩行障害、難聴などの症状を引き起こす病気です。蛍光灯が割れると、蛍光管の中に含まれる水銀が気化した状態で空気中に拡散し、万が一吸い込んでしまうと肺から吸収されて体内に蓄積されてしまう恐れがあります。水銀は体内に蓄積されると毒性を発揮するため、非常に危険です。
また、蛍光灯を廃棄する際に、中の水銀の処理を適切に扱わなければ、地球環境に悪影響を及ぼす恐れもあります。蛍光灯を廃棄する際、オフィスや工場などの場合は産業廃棄物として扱わなければなりません。産業廃棄物は、都道府県から許可を得ている業者が適切に処理する必要があります。
万が一適切に処理されない場合、蛍光灯から放出された水銀によって土壌汚染が引き起こされる恐れがあります。さらに雨水によって地下水や河川に流れ込むことで、水質汚染にまで発展する恐れがあり、大変危険です。
蛍光灯の製造・輸出入禁止に向けた取り組みには、このような健康被害や地球環境への悪影響を防ぐことが背景にあります。
■LED照明への交換を早めにしたほうがいい理由
蛍光灯の製造・輸出入禁止に向けて、LED照明への交換を早めに行ったほうがよいとされています。ここではその主な2つの理由について解説します。
・蛍光灯の値上がりや品不足
蛍光灯は2027年末には製造・輸出入が廃止されるものの、廃止後においてもすでに使用している製品の継続使用や、製品在庫の流通や販売は可能です。ただし、製造や輸出入が廃止になることで品薄状態になることが予想され、品薄状態に伴う値上がりが予想されます。
・LEDの値上がり
樹脂や鋼材などの材料価格の高騰により、LEDは多くのメーカーで値上がり傾向にあります。今後も値上がりの傾向は継続する可能性があるため、LED照明の導入を先送りするとより費用がかかる恐れがあるため、早めに交換しておくとよいでしょう。
■LEDへの交換で節電効果も!メリットのご紹介!
蛍光灯からLEDへ交換すると、節電効果などさまざまなメリットがあります。ここでは主な5つのメリットを紹介します。
・寿命が長く交換の手間が少ない
蛍光灯の寿命は、製品や使用環境によって左右するものの、6,000〜12,000時間程度であるのが一般的です。それに比べてLEDの寿命は、40,000時間程度といわれています。1日10時間程度使用することを想定すると、蛍光灯は約2〜4年で寿命を迎えるのに対し、LEDは10年以上使用できる計算になります。
寿命が長いということは、交換の頻度が少なく済むため、メンテナンスの手間を軽減することが可能です。天井が高い場所など交換が難しい場所でも、LEDであれば交換頻度を抑えられます。
・消費電力が少ない
同じレベルの明るさのLEDと蛍光灯を比べると、LEDのほうが消費電力が少ないため節電効果があります。消費電力が少ないということは電気代を抑えることにもつながるため、長期的に見てもお得といえるでしょう。
・衝撃に強い
一般的に蛍光灯の外部素材にはガラスが使用されているため、地震などの大きな衝撃が加わって落下すると割れてしまう恐れがあり危険です。LEDの外部素材にはガラスではなくシリコンなどの軽くて丈夫な素材が使用されるのが一般的なので、衝撃に強く壊れにくいといえます。
・発熱量や紫外線・赤外線の放出が少ない
LEDの光にはほとんど熱が含まれないため、ライトに触れたとしても熱さは感じにくくなっています。また、LEDの光には赤外線や紫外線がほとんど含まれないため、人体に悪影響を及ぼす心配もありません。
ほかにも「生鮮食料品の劣化を助長しない」「展示商品を変色させない」などのメリットがあり、貴重な展示物の保護などにも役立ちます。また、虫は紫外線に集まる習性があるため、LEDであればむしがほとんど寄ってこないといえます。
・調色機能がある
蛍光灯にもLEDにも光の明るさを調節する「調光機能」はありますが、さらにLEDには光の色を調節する「調色機能」もあります。調色機能があると、寒色系の白色の光から暖色系の電球色の光までに調節することが可能です。
LEDは調光と調色の組み合わせによって、シーンに合った明るさに調節できます。仕事や勉強をするとき、食事をするとき、就寝前にゆっくり過ごしたいときなど、過ごし方に合わせて快適な空間をつくることが可能です。
蛍光灯は水銀による健康や環境への悪影響を防ぐために、2027年末までに段階的に製造と輸出入が禁止されます。今後は蛍光灯の値上がりや品不足、LEDの値上がりなどが予想されるため、なるべく早くLEDに交換しておくのがおすすめです。
LEDは蛍光灯に比べて寿命が長く、消費電力の少なさから節電効果もあります。衝撃に強く、発熱量や紫外線・赤外線の放出も少ないため、さまざまな場所で使用できるのも大きなメリットのひとつです。
LEDには多くのメリットがあるため、いずれ交換するのであれば、なるべく早めに交換したほうがよいといえるでしょう。
愛知県豊橋市のK's電設は、戸建て住宅からマンション、ビル、オフィス、工場まで、あらゆる物件の電気工事ができる対応力の高さが自慢です。豊富な実績とノウハウを活かし、お客様のニーズに合わせた最適なプランをご提案いたします。
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