私たちが日ごろから何気なく使っている電気。
もはや生活に欠かせないインフラ設備ですが、そんな電気にも種類があることをご存じでしょうか。
■強電と弱電とは。電圧・電流の大きさで電気の種類は違う
電気の種類は電圧の高さによって「低圧」「高圧」「特別高圧」「弱電」の4つに分けられており、弱電以外の3つは、まとめて「強電」と呼ばれています。
では、それぞれの使用目的と電圧の大きさをご紹介しましょう。
・最も身近な電気である「低圧」
低圧は家庭のコンセントやエアコン設備、工場などのプラントにある機械類で用いられている電気です。私たちが最も身近に使っている種類でしょう。
電圧の大きさは、交流で600ボルト以下、直流で750ボルト以下です。
・配電線に使われる「高圧」
主に電柱でつながれている「配電線」に使用される電気です。
ちなみにそこから柱上変圧器という装置を通して電圧を減らしたものが、皆様の家庭に配られます。なので結果的には生活に直結している種類ですね。
電圧の大きさは交流で600ボルト~7000ボルト、直流で750ボルト~7000ボルトです。
・発電所と変電所とをつなぐ「特別高圧」
特別高圧は発電所と変電所をつなぐ送電線(別名・高圧線)を流れています。数十万ボルトもの電流が流れることもあり、電気工事士としては慎重に作業をしないと大けがにつながってしまう設備です。7000ボルトを超えた電気はすべて「特別高圧」に分類されます。
・電気を信号として使う「弱電」
最後に弱電です。強電が電気を「エネルギー」として使っているのに対して、弱電は「信号」として活用します。
具体的にいうと、強電は照明やモーターに電気を使うものですが、弱電は電話やテレビ、ネットなどの設備に用いられるのです。
なので電圧は48ボルト以下と、弱い電圧で事足ります。しかしその分ノイズの発生には気を付けなければいけません。
アーティストのライブ会場での虫の羽音は気にならないですが、図書館でははっきり聞こえますよね。
弱電の場合は、少しのノイズが大きな問題になってしまうのです。
■電気工事士は弱電と強電に対応した資格を知っておくべき
電気工事士は強電と弱電の違いをよく把握しておかなくてはいけません。
「エネルギーのために使う電気なのか、信号として使う電気なのか」。
その違いによって必要な資格も変わってくるのです。
強電の場合、「エネルギー管理士」や「電気工事士」、「電気工事施工管理技士」、「電気主任技術者」などの資格を求められます。
弱電の場合は「電気通信主任技術者」や「工事担当者」、「総合無線通信士」、「陸上無線技術士」などの資格を取得しなくてはいけないのでご注意ください。
さてここまで、強電と弱電の違いについて解説してきました。
いかがでしたでしょうか。
「電気」とひと言で言っても、その種類は電圧の大きさや電流の流れる場所。設備や機器などによって違います。
電気工事士はその点をしっかり見極めながら、電気設備を整えているのです。
こちらの記事で電気工事士の資格について紹介しております。