エアコン使用中に喉がイガイガするのはなぜ? 喉の痛みの原因や対策を解説!


皆さんは、エアコンをつけた部屋にいる時、「何だか喉がイガイガする……」と感じた経験はありませんか? その喉の痛みは、もしかするとエアコンが原因かもしれません。厳しい夏や冬を乗り切るのにエアコンは必須ですから、トラブルの原因を知ってしっかりと対策を取ることが大切です。ここでは、エアコンの使用中に喉が痛くなる原因や、その対処法・予防法をご紹介します。




■エアコンの使用中に喉が痛くなる原因



エアコンの使用中に喉が痛くなった場合、エアコンに関わる原因がいくつか考えられます。主な原因は以下の3つです。



・エアコンの使用による空気の乾燥

エアコンによる喉の痛みの原因として最も多いのが「空気の乾燥」です。冷房運転をすると、まず室内の空気がエアコン内部に吸い込まれ、温度を下げた上で室内に戻されます。温度が下がると飽和水蒸気量(含むことができる水分量)も低下するため、抱えきれなくなった水分が結露して水滴となり、ドレンホースから外に排出されます。


つまり、室内に放出される冷えた空気は、元に比べて含んでいる水分量が少ない状態です。それが部屋の空気と混ざって再び温められるため、湿度(相対湿度)が下がって空気が乾燥するというわけです。


一方、暖房は乾燥の仕組みが異なります。暖房は部屋の空気を暖めるので、空気中の水分量は変わらないまま温度だけが高くなります。結果として湿度(相対湿度)が低下し、やはり空気が乾燥してしまうのです。


そして乾燥した空気を吸い込むと、喉や気管が水分不足になり、イガイガ・ピリピリした痛みにつながります。特に口呼吸をしていると、鼻呼吸と違って湿度の調整が行われず、乾燥した空気が直接喉に入ってしまいます。就寝中は無意識に口呼吸をしている人も多く、エアコンをつけたまま寝る時は注意が必要です。



・冷房病(クーラー病)

夏場に多く見られる喉の痛みの原因が、いわゆる冷房病(クーラー病)です。冷房病とは、冷房の効いた室内と気温の高い室外・屋外との温度差が原因で、自律神経のバランスが崩れてさまざまな健康障害が起きることをいいます。


主な症状としては喉の痛みをはじめ、頭痛や肩こり、手足のむくみ、めまい、発熱、疲労感、食欲不振などがあります。冷房の効いた室内と室外を頻繁に行き来している人は、特に冷房病になりやすいため要注意です。



・エアコン内部の汚れ

エアコン内部がホコリやカビで汚れていると、放出される空気にもホコリや雑菌、カビの胞子などが含まれるようになります。このような汚れた空気を吸い込むと喉が痛くなり、アレルギーなどの健康被害にもつながるため注意が必要です。特に冷房・除湿運転中は、エアコン内部が結露で湿った状態になるため、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。




■エアコン使用中に喉が痛くなるのを防ぐための対策



エアコンによる喉の痛みは、ちょっとした工夫で防ぐことができます。エアコン使用中は以下の方法を試してみましょう。



・加湿器などで乾燥を防ぐ

乾燥対策としては加湿器がおすすめです。また、部屋の中に洗濯物を干す、水の入ったコップを置くなどして、蒸発した水分によって湿度を高める方法もあります。室温25℃~28℃で湿度50%~60%程度が適切とされているので、この状態を保つようにしましょう。



・鼻呼吸を意識する

口呼吸が癖になっている人は、意識的に鼻呼吸をしてみましょう。就寝中に口呼吸になってしまうようなら、口呼吸防止テープなどを使うのがおすすめです。改善されない時は、耳鼻科を受診してみてください。



・冷房病対策をする

冷房病になるのを防ぐためには、室内外の温度差を感じないようにすることが大切です。冷房の温度は必要以上に低く設定するのはやめて、温度差を最小限にしましょう。


また、室内では長袖の着用やブランケットの使用、エアコンの風を直接体に当てない、温かい飲み物や体が温まる食べ物を摂取するといった対策を取り、体が冷えすぎるのを防ぐのがおすすめです。適度な運動や入浴によって体を温めるのも効果があります。



・エアコンの掃除をする

エアコン内部の汚れが原因で喉の痛みが出る時は、エアコン内部を掃除しましょう。汚れをキャッチするためのフィルターは、2週間に1回程度掃除をするのが基本です。内部の汚れがあまりにもひどい場合は、専門業者にクリーニングを依頼してみてください。




■エアコンが原因で喉が痛い・イガイガする時の治し方



前述の対策を取っていても、うっかりエアコンをつけたまま寝てしまうなどして、喉が痛くなってしまうことはよくあります。そこで、喉を早めに治すための方法をご紹介します。


※症状が続く場合は必ず病院を受診してください。



・水分補給をする

乾燥が原因による喉の痛みは、水分補給で治る場合があります。ぬるま湯や水、お茶類などをこまめに摂取して喉を湿らせましょう。喉に痛みがある時は、すでに軽い炎症が生じている証拠ですから、炭酸飲料など刺激の強いものは控えてください。



・市販薬を使う

ちょっとした喉の痛みは市販薬でも治すことができます。殺菌作用・抗炎症作用のあるうがい薬や、のどスプレー、トローチ、のど飴などがおすすめです。もちろん、喉の痛みに効くタイプの風邪薬を服用してもいいでしょう。マスクの着用も乾燥対策として効果があります。



・殺菌・抗菌作用のある食べ物を摂取する

殺菌・抗菌作用のある食べ物を摂取すると、喉の炎症を抑える効果が期待できます。ネギや生姜、大根、はちみつ、ユズなどを積極的に摂取してみましょう。