電力の価格高騰が続いており、この冬の電気代はどうなるのかと考えながら、どこのご家庭も節電に取り組んでいらっしゃると思います。電化製品の中でも、エアコンは消費電力が多く、電気代が上がる要因のひとつです。
そんなエアコンですが外出する際につけっぱなしにしておくと、電気代が高くなるのか安くなるのか迷うことはありませんか?少しだけ外出する時にエアコンを消すか消さないかは迷うところです。どちらが節約につながるのかを詳しく見てみましょう。
■外出時のエアコンはこまめに止めた方がいい?
結論1時間以内の外出であればエアコンはつけっぱなしのほうが節電につながりやすいです。
エアコンの電力は、起動時に最も多く消費され、室内温度と室外気温の差が大きい程、設定温度に近づけるために電力がかかってきます。
こまめにエアコンを切ると、次につける時に再度エアコンが設定温度まで室温を近づけることになるため、その分余計に電気代がかかってしまいます。
反対に、一度設定温度に達した後は安定運転と呼ばれ、それほど電力はかからなくなるので、1時間程度の外出であれば、こまめにスイッチをオンオフしたりすることはむしろ逆効果になる事が多く、「つけっぱなし」運転の方がお得になってきます。
また、外出時にエアコンをつけっぱなしにするか止めるかの基準は、室温と外気温の差を基に考えると節電につながりやすくなります。
例えば、夏場の場合朝9時頃から夜6時頃までの日中の時間帯は、外気温が高いため、エアコンの設定温度との差が大きくなります。エアコンを起動するのに必要な消費電力が増えるうえ、エアコンをOFFにすると室温が急激に上がり、再度ONにしたときに多くの消費電力が必要です。そのため、つけっぱなしにしたほうがトータルの消費電力を抑えられます。
時間帯が夜6時頃から夜11時といった夜間のケースを考えると外気温が低くなるため、室温との差も小さくなります。室外気温の差が少なく、起動時の消費電力も日中ほど多くならないため、夜間に関してはエアコンをつけっぱなしにするよりも、こまめに電源のON/OFFを行った方が節約につながります。
■エアコンのつけっぱなし│季節による消費電力の違い
冬場と夏場のエアコンによる電力消費の差は、冬の暖房費のほうが夏の冷房費よりも多くかかる傾向にあります。
エアコンの電気代は、気温から設定温度へ達するまでに要する電気の量によって変わってきます。そのため、実際の温度と設定する温度の差が大きいほど、大きく電力を使用する仕組みとなっているのです。
室内の適温は、冬は20度・夏は28度が推奨されています。これらの適温に室温を近づけるために、夏では冷房・冬では暖房を使用します。
暖房使用時においては、住宅の断熱性能などの環境に左右されるものの、外気温が3℃未満のような厳しい寒さの場合は、室温が大きく下がりやすく設定温度に戻すために多くのパワーが必要となるため、つけっぱなし運転がお得になってきます。
冬の朝は、多くの地域で気温が1桁になる日が増えてくるため、適温の20度にするには、10度以上温度を引き上げるために、多量の電気が必要です。一方で夏場は、猛暑日と言われる35度まで上がった場合でも、適温である28度に下げるには、7度下げる分の電気を消費することになります。これにより、温度差が激しい冬の方が、エアコンにかかる電気代が増えるのです。
■冬と夏、エアコンの電気代を下げる節電テクニック
冬と夏のそれぞれの季節において、エアコンの電気代を下げるための節電テクニックが異なります。
冬場であれば、室外機の周りに物を置かないようにしましょう。物を置くと、室外機から排出された冷たい空気が、室外機の後ろに入り込み、暖房効率が低下してしまします。また、室外機の周辺に雪が積もらないよう気をつけましょう。
室外機の側面や裏面には熱交換器という重要な部品があります。
熱交換器に雪が付着してしまうと、能力を十分に発揮できなくなり、物を置くのと同じように暖房効率が下がってしまいます。
また、室内では暖かい空気は天井に溜まり、冷たい空気は床に溜まります。冷気だまりを解消するために、サーキュレーターなどを使って室内の空気を循環させるようにしましょう。
夏場は、室外機に日除けをつけたり、室内に直射日光が入り込まないよう対策し、冷房効率を上げるようにしましょう。
直射日光で室外機自体が高温になると、熱い空気を外に出す力が弱くなり、室外機が熱を捨てられなくなります。そのため室外機が直射日光に当たらないように日陰をつくることが重要です。
その他の対策として、日差しの当たる窓の外に「よしず」や「すだれ」を設置すると、それだけで熱が遮断され、部屋の温度上昇を抑える効果があります。
また、冬と同じようにサーキュレーターで空気を循環させることで、冷気をお部屋全体に行き渡らせて快適な室温を保つことができます。
合わせておすすめしたいのは、室外機の周りに打ち水を行うことです。朝と夕方の、比較的気温が低い時間帯に打ち水をしておくと、気化熱の効果で室外機周辺の温度が下がります。
夏と冬に共通していえるのは、フィルターの掃除が重要だという点です。フィルターに汚れやホコリが溜まっていると、空気を十分吸い込めなくなります。冷やした空気が室内に送り込みなくなるため、こまめにフィルターを掃除するよう心がけましょう。