皆さん、こんにちは。
愛知県豊橋市を拠点に、電気工事の設計から施工、メンテナンスまで手掛けているK's電設です。
暑い暑いといわれつつ、今年も本格的な冬のシーズンが近づいてきました。この時期の嫌なものといえば……そう! あの「バチッ」と来る静電気ですよね。
日常生活でも厄介な静電気ですが、工場においてはただ迷惑なだけではありません。なぜなら、工場で静電気が発生すると、大規模な火災につながるリスクがあるからです。そこで今回は、工場における静電気対策について解説します。
■工場内で静電気による火災が発生するシーンとリスク
最初に、なぜ工場における静電気が火災につながるのかを知っておきましょう。静電気が「バチッ!」と来た瞬間、つまり放電した時は火花が発生します。この火花が可燃物に引火することで火災が引き起こされるのです。
多くの工場にはさまざまな可燃物が存在するため、静電気火災のリスクも高くなっています。最もイメージしやすいのは、火花が飛んで燃料や石油系の溶剤に引火するケースでしょう。
また、空気中を漂う小麦粉や金属粉などの粉塵に引火するケース(粉塵爆発)にも注意が必要です。その他にも、合成樹脂のような可燃性の製品に引火するなど、いろいろなケースが考えられます。
もし静電気火災が発生すれば、製品の焼損、工場の稼働停止、そして人身事故といった重大なトラブルにつながりかねません。これは工場に大きな損失をもたらすでしょう。このような事態を防ぐためにも、工場における静電気対策は必須なのです。
■乾燥する冬には特に注意を!工場における静電気対策
工場における静電気火災を防ぐためには、「なぜ静電気が発生するのか?」を理解した上で、効果的な対策を取ることが大切です。静電気が発生する原理と、具体的な対処法を見ていきましょう。
◯静電気が発生する原理
そもそも静電気とは、物体が電気を帯びている状態、もしくは物体が帯びている電気自体のことです。あらゆる物体はプラスとマイナスの「電荷」を持っており、その量が同じであれば電気的に中性の状態=帯電していない状態になります。
しかし、2つの物体をこすり合わせるなどすると、片方の物体からもう片方の物体にマイナスの電荷が移動します。その結果、電荷を失った方はプラス、得た方はマイナスの電気を帯びます。これが静電気の基本的なメカニズムです。
そして、静電気がたまった物体が電気の流れやすい物体(金属製のドアノブなど)に触れると、中性の状態に戻ろうとして電子が物体間を流れます。この際に生じるのが、あの「バチッ!」と来る放電現象というわけです。
◯静電気対策の方法
静電気火災を防ぐためには、物体にたまった静電気を逃がすか、帯電そのものを防ぐ必要があります。工場における具体的な静電気対策としては、以下のものが挙げられます。
・アース(接地)
アースは工場設備などと地面を導線でつなぎ、たまった電気を地面に逃がすというもので、静電気対策の基本中の基本です。比較的簡単に実施できますが、絶縁体(電気を通さない物体)に対しては効果がありません。
・工場内を加湿する
湿度が高い環境では、空気中の水分を通じて周囲の物体や地面に少しずつ放電することができるため、静電気が発生しにくくなります。冬場になると静電気が発生しやすいのも、空気が乾燥して放電できず、物体が帯電しやすくなっているからです。したがって、工場内を加湿すれば、静電気が発生しづらい環境になります。
・除電器を設置する
除電器とは、帯電した物体に逆の電荷を与えて中和し、電気を除去する装置です。帯電している場所(しやすい場所)を先に調べる必要がありますが、アースと異なり絶縁体に対しても効果があります。
・導電性物質を使った製品を活用する
導電性物質で作られたリストバンドや帯電防靴を装備すると、作業員の体から少しずつ電気が逃げていくため、静電気の発生を防ぐことができます。また、導電物質製の梱包材やフィルムなどを使うのも効果的です。
・帯電防止剤を活用する
帯電防止剤を塗布すると、その物体の帯電を防ぐことができます。粉末やスプレーといった種類があるので、用途や環境に適したものを使うといいでしょう。
このように、工場の静電気対策にはさまざまな方法があります。これから訪れる冬は空気が乾燥し、静電気が発生しやすくなり、火災のリスクも高まる季節です。静電気火災などのトラブルを防ぐためにも、冬に向けて工場の静電気対策を強化しておきましょう。
愛知県豊橋市のK's電設は、戸建て住宅からマンション、ビル、オフィス、工場まで、あらゆる物件の電気工事ができる対応力の高さが自慢です。新設工事はもちろん改修やメンテナンスにも対応しており、豊富な実績とノウハウを活かし、お客様のニーズに合わせた最適なプランをご提案いたします。
また、工事全体への一貫対応によって、細かな工事の種類ごとに別々の業者に依頼した場合に比べ、打ち合わせの手間やコストを減らすことが可能です。工場の静電気対策の施工実績もあり、高い技術力による満足度の高い工事をお約束します。電気に関するお悩みは、どんなに小さなことでもお気軽にご相談ください。