高圧CVケーブルの耐用年数(寿命)は何年? ケーブルの老朽化がもたらすリスクと更新推奨時期を解説  

皆さん、こんにちは。

愛知県豊橋市を拠点に、電気工事の設計から施工、メンテナンスまで手掛けているK's電設です。


工場や商業施設など、高圧電力を引いている施設では、引き込みケーブルも高電圧に耐えられるものを使う必要があります。一般的に使われているのは「高圧CVケーブル」です。


もちろん高圧CVケーブルにも耐用年数があり、老朽化すると重大な事故につながるリスクがあるため、定期的に交換しなければなりません。そこで今回は、高圧CVケーブルの特徴や交換推奨時期、老朽化を放置した場合の危険性について解説します。




■高圧CVケーブルの用途とは?


CVケーブルは「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(Cross-linked polyethylene insulated Vinyl sheath cable)」の略称です。基本的な構造としては、電気が流れる導体を絶縁体である架橋ポリエチレンで覆い、さらに銅テープやビニルシースなどで覆っています。要するに、構造そのままの名前です。


プラスチック素材の一種であるポリエチレンは、絶縁性が高く入手も容易である一方、電流が発する熱に弱いという弱点があります。単なるポリエチレンによる被覆を施しても熱に耐えられないため、電気を運ぶケーブルとしては使えません。


そこで、分子間に架橋(橋かけ)を行って網状の分子構造を作り、耐熱性を高めた架橋ポリエチレンを絶縁体として使用しているわけです。架橋ポリエチレンの最高許容温度は90℃と高く、その分CVケーブルの電流容量も大きく取ることができます。


耐候性も比較的高く、屋外での露出配線も可能です。このような汎用性の高さにより、一般住宅から工場、病院、商業施設、そして発電所まで、さまざまな建物において電力用ケーブルとして使われています。


また、複数のCVケーブルをより合わせ、施工性や許容電流量を高めたケーブルもあります。より合わせたケーブルが2本のものがCVDケーブル、3本のものがCVTケーブル、4本のものがCVQケーブルです。


そしてCVケーブルは、対応している電圧によってもいくつかの種類に分けられます。600V、3300V(3.3kV)、6600V(6.6kV)、11000V(11kV)、15000V(15kV)、22000V(22kV)、33000V(33kV)、66kV、77kV、110kV、154kV、275kV、500kV(50万V)といった種類があり、600V以下を低圧ケーブル、3300V~6600Vを高圧ケーブル、11000V以上を特別高圧ケーブルと呼んでいます。




■高圧CVケーブルの耐用年数と更新推奨時期



高圧CVケーブルの耐用年数は、屋外敷設で10年~20年程度、屋内敷設(水に接触しない状態)で20年~30年程度です。原則として、どれだけ長くても30年以上の使用は推奨されません。絶縁体は常に熱や電気の負担を受けており、30年を超えるような使用には耐えられないからです。


また、実際どの程度を持つのかは、使用環境に大きく左右されます。屋外はもちろんのこと、屋内でも水の影響を受ける環境では、劣化の速度が速い傾向があります。施工方式が直接埋設式もしくは管路式の場合や、屋外ピット敷設の場合などは、10年~20年で更新するようにしましょう。




■高圧CVケーブルの老朽化がもたらすリスクと対処法



高圧CVケーブルが耐用年数を迎え老朽化しているにもかかわらず、適切な対応を取らずに放置すると、さまざまなリスクが生じます。たとえば、工場の引き込みケーブルとして使っている高圧CVケーブルが断線し、工場全体が停電すれば、復旧するまで操業できません。復旧に数日かかるケースも多く、損失は非常に大きなものとなるでしょう。


特に怖いのが、ケーブルの漏電などが原因で電力会社からの電力供給が停止し、付近一帯が停電してしまう「波及事故」です。周囲の施設が営業できなくなると、莫大な損害賠償を請求される可能性があります。信号が停止して交通が混乱したり、病院が停電して入院患者の命が危険にさらされたりすることもあるでしょう。


さらに、高圧CVケーブルが破損し漏電が発生している箇所にうっかり触れれば、感電によって死亡するケースもあります。そして、万が一にも漏電火災が発生すれば、建物が全焼し多くの人命が失われる事態にもなりかねません。


このような重大なトラブルを防ぐためには、高圧CVケーブルの定期点検を行い、設置から経過した年月や老朽化の状態に応じて更新・交換することが大切です。その他にも、停電などの異常が発生した時は即座にケーブルの点検を実施し、必要に応じてメンテナンスや交換を行いましょう。



愛知県豊橋市のK's電設は、戸建て住宅からマンション、ビル、オフィス、工場まで、あらゆる物件の電気工事ができる対応力の高さが自慢です。電気土木工事や建柱工事にも対応でき、細かな工事の種類ごとに別々の業者に依頼した場合に比べ、打ち合わせの手間やコストを減らすことができます。


工場の電気工事の施工実績も豊富で、お客様のニーズにとことんお応えし、高い技術力による満足度の高い工事をお約束します。電気に関するお悩みは、どんなに小さなことでもお気軽にご相談ください。