俳句に使われる季語は、季節を表すために使われる言葉です。
この時期に起こる現象といえば、春の訪れを伝えてくれる雷「春雷(しゅんらい)」。
雷と言うと、夏に発生するイメージが強いのですが、雷は年中発生するため、実は春夏秋冬全ての時期に雷の季語が存在します。
春の雷の季語としては、「春雷」「初雷」「虫出しの雷」などが使われます。今回は、これらの季語の由来を紹介します。
■「春雷」
春雷とは、文字通り春(立春から立夏頃まで)に発生する雷を指します。夏の雷とは、発生する原因が異なり、春雷は寒冷前線に伴い発生するものです。
春は、移動性の高気圧と低気圧が交互に訪れ、西から東へと移動します。低気圧の多くは前線を伴い、前線が通過するときに発生する積乱雲から、雷が発生するのです。
■なぜ「虫出しの雷」?
春の最初になる雷を「初雷」といいますが、「蟄雷」「虫出しの雷」とも呼ばれます。これらの言葉は、冬眠していた生き物が、雷によって目を覚ますと考えられていたことが由来です。
初雷は、毎年3月6日頃に当たる啓蟄の時期に鳴り始めることも、「虫出しの雷」と呼ばれる所以なのです。