突然空が光って「ドーン!」と落ちてくる雷は、とても怖いものですよね。ところで、地上にさえ届くこの雷が、空を飛んでいる飛行機に命中したらどうなるのでしょうか?
飛行機は先端部分にある気象レーダーで雲や雨をさけて飛んでいますが、どうしても避けられない場合、飛行機に雷が落ちてしまうことがあります。
単純に考えると、雷で大きなダメージを受けて墜落してしまうように思えますが、実際には飛行機が雷に撃たれても墜落することはなく、機体が破壊されたり中の人が感電したりすることもありません。
なぜなら、飛行機はいわば「金属の箱」のようなものなので、雷が直撃したとしても表面を流れるだけで、内部には伝わらないからです。ただし、膨大な電流が表面を流れることにより、多少の傷や焼け焦げは発生します。
■飛行機の雷対策
また、雷のダメージを防ぐための装置もあります。飛行機に乗る機会があったら、窓から飛行機の主翼を見てみてください。主翼の後ろ側に、針のようなものが何本か付いているのが見えるでしょう。これは「スタティック・ディスチャージャー(放電索)」といい、万が一被雷した時に放電して雷のエネルギーを逃し、機体を守る役割を果たしています。
加えて、空気や水分、塵などとの摩擦で溜まる静電気を逃し、計器類の異常や通信障害を防ぐ役割もあります。帯電すると雷に撃たれやすくなるため、被雷の確率を減らすという意味でも重要な装置です。
というわけで、飛行機に乗る時は「雷に撃たれたらどうしよう」などと心配する必要はありません。安心して空の旅を楽しみましょう。