夏は非常に雷が発生しやすい季節です。国の統計でも、1年間の落雷害の約30%が8月に集中していることがわかっています(2005年~2017年)。もし屋外にいる時に雷が鳴り始めたら、どこに避難すればいいのでしょうか。
最も安全な避難場所は、やはり建物の中です。特に鉄筋コンクリート造の大きな建物であれば、被害にあう確率は極めて低くなります。木造建築でも構わないのですが、構造材を介して電流が伝わる可能性があるため、天井・壁・電気機器などからは1m以上離れた場所にいてください。
また、周囲に避難できる建物がない場合は、車の中に避難するのがおすすめです。万が一車に雷が落ちたとしても、電流は車のボディを通って地面に逃げるため、中にいる人が感電することはまずありません。
一方、高い木は避雷針となって雷が落ちやすいため、雨宿りなどで近くにいるのはとても危険です。同じ理由で、傘をさしたり釣り竿やゴルフクラブを掲げたりするのもよくありません。軒下での雨宿りも、建物に落雷した際に電流が外壁を伝ってくるおそれがあるため避けるべきです。
では、避難できる建物や車などが何もない場合はどうすればいいのでしょうか? 正解は「保護範囲」に退避することです。保護範囲とは、近くの電柱・煙突・樹木などの頂点を45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れた場所を指します。
保護範囲にいれば、自分に雷が落ちる「直撃雷」はもちろん、近くの樹木などに落ちた雷の電流を受けてしまう「側撃雷」も防ぐことができます。雷はどこにいても襲ってくる可能性がありますから、正しい対処法を知って身を守りましょう。