照明器具などのスイッチは、毎日当たり前のように使っている設備です。しかし、これも機械ですから経年劣化は避けられず、不具合が生じることもあります。完全に故障して使えなくなってしまうと大変なので、早めの交換が重要です。ここでは電気スイッチの取り替え時期の目安や、交換する際の注意点について解説します。
■電気スイッチの取り換え時期の目安はいつ?
一般的な電気スイッチの耐用年数(寿命)の目安は、概ね10年程度です。特に問題がなくても10年に1回は交換するようにすれば、トラブルの発生を防ぐことができます。ただ、これはあくまでも標準的な使い方・標準的な環境の場合であり、状況によってはより早いタイミングで交換が必要になることも少なくありません。
特に早期の点検・交換が必要になりやすいのが、電気スイッチの切り替えを頻繁に行っている場合です。これはどうしても電気スイッチの負担が大きくなるため、耐用年数が短くなります。ホコリの多い場所や高温の場所、厨房など塩気や油蒸気の多い場所での使用も、電気スイッチの寿命を縮める一因です。
また、機能や外見に明らかな異常が見られる場合も、電気スイッチを交換する必要があります。スイッチを入れても設備が動かない・動きにくい場合はもちろん、表面の変色や焦げ、異臭、膨らみ、亀裂なども、交換時期を知らせるサインです。そのまま使い続けると漏電や火災を招くこともあるので、早めに修理・交換しましょう。
■電気スイッチの交換は資格が必須なので注意!
電気スイッチの交換が必要になった時、「この程度の設備なら自力で交換できるのでは?」と考える方もいると思われます。しかし、原則として電気スイッチのDIYでの交換は行なってはいけません。なぜなら、電気スイッチの交換のような電気工事を行うためには、「電気工事士」の資格を持っている必要があるからです。
この資格を持たず、専門的な知識や技術のない人が工事を行うと、作業中の感電や配線ミスによる漏電・火災などを引き起こすリスクがあります。最悪死亡事故につながりかねませんし、財産を失うことになるかもしれません。延焼によって近隣に迷惑をかける場合もあるでしょう。
加えて、火災保険などの適用除外になる可能性もあります。こうなると、失った財産を保険金で埋め合わせることができません。隣近所にまで被害が及んだ時も、莫大な損害賠償金を自分で工面しなければならないのです。
さらに、無資格で電気工事を行うと電気工事士法違反となり、3万円以下の罰金または3ヶ月以下の懲役が科されます。このように、DIYによる電気工事は非常に危険であり、デメリットしかありません。たとえ電気スイッチ1つの交換でも、資格を持った専門業者に依頼するべきなのです。
■スイッチカバーの交換は自分で行ってもOK!
電気スイッチのDIYによる交換は推奨されませんが、だからといってスイッチ関係のDIYがすべてNGというわけではありません。実は、スイッチカバーだけの交換であれば電気工事には当たらないため、自分で行ってもOKなのです。破損や汚れが見られるカバーを新品に取り替えることもできますし、おしゃれなデザインのカバーに交換してもいいでしょう。
必要な道具は、交換用のカバーとドライバーです。交換用のカバーは家電量販店やホームセンター、100円ショップ、ネット通販などで購入できます。価格は一般的な製品なら1000円~2000円程度と、それほど高くありません。
具体的な作業手順としては、まず感電や火災防止のためにブレーカーを落とします。次に、ドライバーを隙間に差し込んで表側の「表面プレート(外枠)」を外し、その下にある「土台プレート」も外します。ネジで固定されているなら、先にそれを外してください。
そして、新しいカバーを土台→表面の順番に付け、必要に応じてネジで固定します。後はブレーカーを上げて、スイッチが問題なく稼働することを確認したら作業完了です。なお、賃貸住宅の場合は、退去する際にスイッチカバーの原状回復を求められることがあります。交換する際は管理会社やオーナーに確認を取り、交換前のカバーは大切に保管しておきましょう。