2016年の電力完全自由化により、どのような建物でも電力会社を自由に選べるようになり、いわゆる新電力へ切り替えるケースも増えてきました。どのようなメリットが得られるかは、電力会社や電力プランの選び方次第なのですが、オフィスや店舗の場合は「高圧電力から低圧電力への切り替え」が有力な選択肢です。
高圧電力は、6600Vの電力を施設内のキュービクルで受電し、100Vや200Vに変換して使用します。一方、低圧電力は送電の過程で電圧が下げられており、供給された電気をそのまま使用可能です。高圧電力は工場や商業施設といった大型の施設、低圧電力は一般住宅や小規模なオフィス・店舗などで主に採用されます。
そのため、店舗やオフィスの敷地内にキュービクルがあれば、高圧電力を使っているとわかります。では、高圧電力から低圧電力に切り替えると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。主なメリットは以下の2つです。
■電気料金が安くなる可能性がある
高圧電力の料金は、年間の電気使用量のピーク時を基準に設定されているのが一般的です。そのため、それほど電気を使っていない時期には、必要以上の料金を支払っている可能性があります。電力の使用状況にもよりますが、低圧電力に切り替えれば無駄がなくなり、光熱費を削減できるかもしれません。
■請求書管理の手間が省ける
複数の拠点や店舗を持っている会社の場合、電気代の請求書が別々に届くことも多いと思われます。このようなケースでは、書類の管理や電気代の支払いが煩雑になりがちです。しかし、新電力に切り替えると、これらの支払いを1つにまとめられる場合があります。そうなれば事務処理の負担が減り、生産性の向上につながるでしょう。
今後、冬にかけて電力の消費も増えていくと予想されます。まだ高圧電力を使用しているのであれば、今のうちに低圧電力への切り替えを検討し、電気代の削減や生産性の向上につなげてみてはいかがでしょうか。