梅雨の季節になると湿気やカビの発生が気になりますよね。年間の3分の1は雨が降る日本では、湿度の平均は60%〜70%と高く、夏には湿度75%を超える蒸し暑い日も多くなります。
湿度が高いと洗濯物も乾きにくく、じめじめとして過ごしにくいですよね。除湿器やエアコンの除湿機能を使えば、気になる湿気を取り除き梅雨の時期でも快適に過ごせるようなります。しかし、エアコンに除湿機能がついているのに、あまり使ったことがない、上手に使いこなせていないという方も多いようです。
除湿器やエアコンの除湿機能は除湿の方法が違うため、使い方によって電気代を節約することもできます。そこで今回は、除湿器とエアコンの除湿性能の違いや電気代について詳しく解説します。
■除湿器の種類と電気代
梅雨の湿気対策や部屋干し用に除湿器を購入した方もいらっしゃるかと思います。除湿器には大きく分けて、コンプレッサー式とゼオライト(デシカント)式の2種類があるのですが、ご家庭の加湿器がどちらのタイプかご存じでしょうか。
コンプレッサー式は部屋の空気を冷やすことにより湿気を水滴にして除去しています。コンプレッサー式では気温が高い時に除湿能力が高くなり、消費電力を抑えられます。パワーがあるため広い部屋でも使用できますが、重量があり音が大きいというデメリットがあります。
一方ゼオライト式は、ゼオライトという乾燥剤で水分を吸着し、乾いた空気を吹き出します。運転音が静かですが、電気代はコンプレッサー式に比べてゼオライト式の方が2〜3倍かかるという難点もあります。
ゼオライト式の除湿器はヒーターが室温を上げてしまうため冬場の除湿には適していますが、部屋の温度を上げたくない時期には向いていません。夏なら冷風を利用して除湿するコンプレッサー式の除湿器がよいでしょう。
また最近では、夏はコンプレッサー式、冬はゼオライト式で除湿してくれるハイブリッド式の除湿器も出ています。これから購入される場合は、除湿したい時期やコスト面を考慮して除湿器を選ぶようにしましょう。
■エアコンの除湿機能
除湿器がなくても、エアコンの除湿機能を使って湿気を取り除くこともできます。通常の冷房機能では部屋の温度を設定温度まで下げるのに対し、除湿(ドライ)機能にすると空気中の水分を外に排出しながら室内の湿度を下げてくれます。
最近のエアコンの除湿機能には、「弱冷房除湿」「再熱除湿」の2種類があります。
「弱冷房除湿」は、室内に冷やした空気を戻すことで湿気を取りながら部屋の温度も一緒に下げていきます。じめじめとした夏の日に湿気と暑さの両方を取り除きたい場合に向いています。
「再熱除湿」は、部屋の温度は下げないように冷やされた空気を再び暖めてから室内に戻します。梅雨の時期でまだ肌寒い日には、再熱除湿を使うと室温を下げずに湿気だけを取り除いてくれます。弱冷房除湿に比べて、再熱除湿の方が除湿量は多く短時間で除湿できますが、電気代がかかるので使う時には注意しましょう。
■目的に応じた使い分けで電気代をお得に
除湿器とエアコンの除湿機能はそれぞれ除湿方法や電気代が異なります。目的に応じて機能を使い分けることで、電気代を抑えながら快適に除湿できます。
室温を上げてしまうゼオライト式の除湿器も、梅雨の時期に乾かなくて困る子どもの体操服や上履き、どうしても着たい服などを、短時間で乾かしたい時に活躍するでしょう。部屋の除湿をしたい場合はエアコンの弱冷房除湿、洗濯物をピンポイントで乾かすなら除湿器を使うと、電気代だけでなく除湿効率の面でもメリットが大きくなります。
除湿器やエアコンを効果的に使って湿気を上手に取り除き、梅雨や夏でも快適な暮らしを実現しましょう。