「2019年問題」とは? 概要やデメリット、対策を紹介



株式会社K's電設が拠点にする愛知県豊橋市には、意外な特色があります。

それは日照時間です。全国に815カ所もある観測所のうち、豊橋市はなんと47位。全国の上位5%に入るほど長い時間、太陽に照らされているのです。そこで有効なのが「太陽光発電システム」です。敷地が余っている方などは、パネルを設置なさっている方も多いことでしょう。


自家発電により電気代をカットできるのはもちろん、太陽光発電システムにとって、大きなメリットは余剰電力を売電して収益化を臨めることです。


しかし現在「売電収入」に関して大きな問題が取り沙汰されています。それが「2019年問題」です。一体どのような問題なのでしょうか。




■「余剰電力買取制度」がはじまって10年目の節目




余った電力を売れる「余剰電力買取制度」がはじまったのは2009年でした。この制度の期限は10年間です。なので2019年に満了となります。2009年当時の売電価格は42円/kWhと非常に高かったので、多くの方が2009年に設置しました。




■満期以降は売電価格が安くなる




制度が満期になっても、売電はできます。問題は価格が下がってしまうことです。制度内の売電価格は26~30円/kWhほどで推移していました。それが11円/kWhほどまで低下するのです。


実はこの価格は過去に改訂されました。2009年当時の発表では満期後の売電価格は24円/kWhだったのです。当時、太陽光発電システムを導入なさった方もシミュレーションをしたことでしょう。


しかし2016年に政府は11円/kWhに売電価格を下げました。ユーザーからすると、大きく計画が狂ってしまったと言っても過言ではありません。




■「2019年問題」の対象になる人について


現在、太陽光発電システムを導入している人が全員「2019年問題」のあおりを受けるわけではありません。ではどのような関係がないのでしょうか。



1.2016年移行に設置した方

もちろん売電価格の低下が発表されてから導入した方は関係がありません。イメージ通りの動きなので、期待を損ねることもないでしょう。



2.2009年11月より前に設置した方

そもそも売電制度が始まる前に設置した方にとって、売電がはじまったことだけでもメリットでしょう。今後の売電価格が下がっても、デメリットよりメリットが大きいと思います。



3.10kW以上の設備を導入している方

2019年問題は10kW以下の方が対象です。10kW以上の方は20年以上の期間が設けられているので、2032年に問題が起こるかもしれません。今回の騒動をモデルケースとして備えておく必要があります。




■「自家発電」で問題を乗り越えよう


「2019年問題」に直面しているのは2009年11月~2015年1月の間に10kW未満の電力を契約した方だといえます。では、今後は下がった売電価格で小さな利益を積み重ねるしかないのでしょうか。


もちろん、それも1つの手ですが、特におすすめしたいのが「自家消費」です。積極的に自家消費をすることで光熱費やガソリン代を節約できます。太陽光パネルによって住まいのインフラ費用をほぼまかなえるのです。


例えば「蓄電池」の導入。




通常は、太陽光発電システムが発電しない夜間の消費電力は電力会社から購入する必要がありました。しかし蓄電池と併用することで自家消費が可能になります。日中に発電して余った電気を蓄電池に貯めておくことで、夜間の電気も太陽光発電システムでまかなえるのです。


実際、自家消費用の蓄電池は今後流行することが予想されており、各メーカーが製品をリリースしています。


またその他で効果的なのがエコキュートをはじめとしたオール電化機器や、電気自動車などです。太陽光と電気自動車を併用することにより、これまでかかっていたガソリン代をお得にまかなえます。





価格が下がっている現在の流れを踏まえると、これから買取価格が0円になる可能性もあるでしょう。先を見据えて、自家消費に切り変えるのも1つの手です。