近年では電気料金が高騰を続けており、2023年6月にも大幅な値上げが行われました。一般家庭はもちろん、企業にとっても負担は重くなるばかりです。この状況を乗り切るためには、工夫して節電に取り組む必要があります。ここでは、電気料金値上げの状況やおすすめの節電方法について解説します。
■6月の電気料金値上げ率はどのくらい?
6月1日から電気料金が値上げになったことは多くのメディアで報じられていますが、実際にどのくらい値上がりしたのかよく知らないという方もいると思われます。そこでまずは、6月の電気料金の値上げ率について確認しておきましょう。
値上げ率は地域(電力会社)によって異なり、大手電力会社7社の値上げ率は、北海道電力が20.1%、東北電力が21.9%、東京電力が15.3%、北陸電力が39.7%、中国電力が26.1%、四国電力が23.0%、沖縄電力が36.6%となっています。地域によっては、一気に4割近く電気料金が高くなってしまうわけです。
値上げの主な要因としては、ロシアのウクライナ侵攻等をきっかけとする世界的な燃料価格の高騰が挙げられます。日本は電力の70%以上を火力発電に頼っているため、発電の燃料に使うLNG(液化天然ガス)や石炭等の輸入価格が高騰したことで、発電コストが大きく高くなりました。それが電気料金に転嫁されたのです。
他にも、環境負荷の少ないLNGの需要増大や産油国の原油の生産制限、そして円安といった多くの事情が絡み、電気料金を押し上げてしまいました。これらが改善される目処は立っておらず、当面は電気料金が高い状態が続くと考えられます。
■電気代の節約方法
電気料金の値下げが期待できない以上、負担を軽減するためには電気代を節約する必要があります。では、一体どこから節電に取り組めばいいのでしょうか?
資源エネルギー庁の統計によれば、エアコン(空調)・冷蔵庫・照明の3つだけで、電力消費の50%以上を占めています。つまり、効果的に節電をしたい時は、これら3つの設備の使い方に注意すればいいわけです。それぞれの節電方法を見ていきましょう。
・エアコンの節電方法
エアコンの節電方法の基本は、冷房であれば設定温度を上げ、暖房であれば設定温度を下げることです。冷房の場合、設定温度を1℃上げると、約10%の節電になります。
特に夏の日中は、エアコンだけで消費電力の50%を超えるため、エアコンの節電はとても効果的です。最近は夏の暑さが厳しいので無理は禁物ですが、可能な範囲で設定温度を高くしておきましょう。
また、エアコンのフィルターがホコリなどで目詰まりしていると、空調効率が落ちて電気代が高くなってしまいます。2週間に1回程度のスパンでフィルターを清掃しましょう。扇風機やサーキュレーターを併用するのも有効です。
・冷蔵庫の節電方法
冷蔵庫の節電のポイントは、内部の空間に余裕を持たせておくことです。食品を詰め込みすぎると冷気の流れが滞り、内部が冷えにくくなって余分な電力がかかります。一方、冷凍庫は食品自体が内部を冷やすので、隙間なく詰めておくのが効果的です。「冷蔵庫はすっきり、冷凍庫はぎっしり」を合言葉にしましょう。
また、夏場は設定温度を「中」、冬場は「弱」にしておくと節電につながります。ただし、夏場は食品が傷まないよう、様子を見ながら調整してください。さらに、最近の冷蔵庫は10年前の製品と比べて消費電力が約半分になっているため、買い替えもおすすめです。
・照明の節電方法
すぐにできる照明の節電方法は、従来型の白熱電球や蛍光灯をLED照明に切り替えることです。たとえば、54Wの白熱電球から9Wの電球形LEDランプに交換すると、年間約2,790円の節約になります(年間2,000時間使用の場合)。もちろん、使っていない部屋の照明を消すなど、基本的な対策も大切です。
電気料金は当分の間、上がることはあっても簡単に下がることはないと予想されます。普段の生活の中で電気の使い方を見直し、賢く電気を使ってこの状況を乗り切りましょう!
電気に関する豆知識や新たな発見を楽しみたい方は、ぜひ記事一覧をご覧ください。
https://www.k-sdensetsu.com/blog/category5/