電気自動車(EV車)の充電時間はどのくらい?充電スタンドの種類や充電時間の違いを解説!

近年普及し始めている電気自動車(EV)は、電気をエネルギー源にしているため、給油の代わりに充電が必要です。充電が気軽にできるかどうかは、電気自動車の利便性を大きく左右します。実際のところ、充電にはどのくらい時間がかかるのでしょうか。また、充電スタンドは日本に何ヶ所あるのでしょうか。今回は、電気自動車の充電スタンドの基礎知識をご紹介します。




■電気自動車の充電時間の目安はどのくらい?



まず知っておきたいのは、電気自動車の充電はガソリン車の給油に比べ、大幅に時間がかかるということです。ガソリン車は3分~5分程度の給油で満タンになりますが、電気自動車はある程度充電するだけでも数時間、急速充電器を使っても数十分は見なければなりません。


目安として、代表的な国産電気自動車である日産の「リーフ(40kWhバッテリー)」の充電にかかる時間を見ると、以下のようになります。


普通充電(3KW):約16時間

普通充電(6KW):約8時間

急速充電器(通常50kW):約40分


このような数値を見ると「時間がかかりすぎて使い勝手が悪いのでは?」と感じるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。なぜなら、電気自動車はガソリン車と異なり、家で充電ができるからです。帰宅後に充電を始めれば、翌日出かける時までには十分に充電できているでしょう。


また、常にフル充電にしておかなければならないわけでもありません。むしろ、リチウムイオン電池はフル充電のままで放置すると劣化する場合があるため、長時間走行の前以外は80%~90%程度の充電でいいくらいです。


そのため、家でも外でも就寝時間や休憩時間を利用して充電すれば、まったく問題なく使えるでしょう。ちなみに、200Vのコンセントなら、30分の充電で10kmは走行できるようになります。急速充電器であれば、5分間の充電で40km程度は走行可能です。




■電気自動車の基礎知識│充電スタンドの種類

電気自動車の充電設備には、大きく分けて「普通充電」と「急速充電」があります。2つの違いは、簡単にいうと「充電器の出力」です。普通充電の出力は一般的に3kW(200V×15A)なのに対し、急速充電は20kW~50kWのため、急速充電の方がより短時間で充電できます。


日本で市販されているほとんどの電気自動車には、2つの充電口が搭載されています。大きい方が急速充電用、小さい方が普通充電用です。そのため、状況に合わせて急速充電と普通充電を使い分けることができます。



ただ、急速充電器は非常に高価なので、自宅には普通充電器のみを設置するのが一般的です。急速充電器はサービスエリアやコンビニ、ホテル、商業施設などに設置されているので、主に外出時に使用することになるでしょう。ちなみに、急速充電は電池の劣化が早まるので、あまり頻繁に使うべきではありません。


また、家庭用の電源には大きく分けて100Vと200Vがありますが、電気自動車の充電には200Vを使用するのが主流です。100Vは単純に2倍の充電時間がかかり、そもそも対応していない車種もあります。できる限り、200Vの電源を用意するのが望ましいでしょう。


一般的な家庭用電源は100Vなので、200Vの電源を確保するためには、分電盤から200V用の電線を引いたり電源を交換したりといった工事が必要になります。自宅に充電設備を設置する際、施工業者に電源の状態を調べてもらい、必要な工事を判断してください。




■EV車充電スタンドの数VSガソリンスタンドの数



自宅に充電設備を設置できるとはいえ、外出中にバッテリー残量が少なくなった時のことを考えると、やはり外部の充電スポットは必要です。実際のところ、EV用の充電スタンドはどのくらいあるのでしょうか?


全国のEV充電スタンドを検索できる情報サイト「GoGoEV」によると、全国のEV充電スタンドの数は1万9,311箇所です。

これに対し、ガソリンスタンドは2万8475箇所あります(令和3年度、資源エネルギー庁のデータより)。EV用充電スタンドは、ガソリンスタンドに比べてまだまだ少ないといえます。


もちろん今後は、電気自動車のさらなる普及によって、EV用充電スタンドも増えていくでしょう。充電スタンド不足の問題は、いずれ解消されると考えられます。ガソリンスタンドと同じ感覚で気軽に充電できるようになれば、電気自動車の使い勝手が大きく向上するのは間違いありません。


とはいえ、1回の充電に時間がかかることを考えると、やはり自宅用の充電設備は必要です。すでにEVやPHEVをお持ちの方はもちろん、将来購入する可能性がある方も、ご自宅に充電設備を設置してみてはいかがでしょうか。