漏電とはどんな現象? 仕組みと原因、防ぐためのポイントを解説

 

電気は私たちの生活に欠かせないエネルギーですが、扱いを間違うと大きな事故につながることもあります。特に注意しておきたいのが、あらゆる場所で発生する可能性がある「漏電」です。漏電については、聞いたことはあっても実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは漏電の仕組みや、漏電を防ぐためのポイントをご紹介します。



■漏電とは?



漏電とはその名の通り「電気が漏れる」こと、つまり電気が本来のルートを外れて流れてしまうことを指します。電気機器や電気配線は、電気を通しにくい物質で覆うなどの「絶縁」処理が施されているため、通常は漏電することはありません。しかし、何らかの理由でこの絶縁が不完全になると、目的の電気回路の外に電気が漏れてしまうのです。


漏電は単に電力の損失になるだけでなく、他にもさまざまな危険をもたらします。特に怖いのが、漏電している部分に触れることによる感電です。ビリッとしびれる程度ならいいのですが、大きな障害が残るほどの怪我をしたり、最悪死亡したりすることも珍しくありません。ある程度以上の電流は筋肉が麻痺するため、逃げることすらできなくなります。


そして、漏電によって周囲のものが熱を帯び、発火することで引き起こされる火災にも注意が必要です。漏電火災は全国でしばしば発生しており、時として大きな被害をもたらします。1955年10月に新潟市で発生した「新潟大火」は漏電が原因で、1000戸以上の家が焼けました。このように漏電は、命や財産を奪われることもある恐ろしいものなのです。



■漏電の主な原因



漏電の原因の多くは、電気機器や電気配線の経年劣化です。最初はしっかりと絶縁されていた電気機器も、年月を経るにつれだんだんと老朽化して、被覆が剥がれたり亀裂が入ったりします。こうなれば当然、その部分から電気が漏れてしまうのです。事故や災害で電気機器が破損したり、ネズミやペットが電気配線をかじったりした場合も同じことが起こります。


また、防水性のない電気機器が水を浴びた時も、絶縁機能が弱くなって漏電する可能性があります。うっかり飲み物などをこぼしてしまった時はもちろん、豪雨や台風による雨漏りや浸水が発生した時にも注意が必要です。水まわり設備の老朽化による水漏れや、周辺の結露にも気をつけなければなりません。


さらに、タコ足配線によって許容量以上の電気が流れた場合も漏電のおそれがあります。コンセントとプラグの間にホコリが蓄積され、それが湿気を帯びることで漏電する「トラッキング現象」も、火災につながりやすく非常に危険です。


その他、不適切な電気工事や細すぎる電線、漏電ブレーカーの故障、アースがついていない、潮風による塩害などによっても漏電は引き起こされます。気づかないうちに自宅で漏電が発生していることも多いため、十分な注意が必要です。



■漏電させないために気を付けておきたいこと



多彩な原因を見てもわかるように、漏電は住宅・工場・オフィスなど、あらゆる場所で発生する可能性があります。漏電とそれによる被害を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。


最低限必要なのは、漏電ブレーカーの設置です。漏電ブレーカーがあれば、万が一漏電が発生した時に電気を遮断し、被害の拡大を防いでくれます。もちろん故障していては意味がないので、定期的に点検を依頼するといいでしょう。あわせてアースも設置しておくと、漏電した時に漏れた電気を大地に流し、感電のリスクを軽減してくれます。


また、電気機器の状態は定期的にチェックし、劣化や破損が見られるなら使用しないようにしましょう。電気機器やプラグ、コンセントの周辺もしっかり掃除をしてホコリを取り除くと、トラッキング現象を防げます。タコ足配線を避ける、電気配線を束ねたまま使わない、濡れた手で電気機器を扱わない、湿気の多い場所に電気機器を置かないといった心がけも大切です。


そして、漏電の発生に気づいた時は、すぐに専門業者に対応を依頼しましょう。電気機器が普段通り使えていても、「電気使用量が異常に増えている」「建物の金属部分に触れるとビリビリ痺れる感覚がある」といった時は、漏電している可能性が大です。その他、少しでもおかしいと感じることがあれば、安全のためにも専門業者に相談してみてください。