蚊など害虫も少なく過ごしやすかった春は終わり、これからじめじめとした梅雨がやってきますね。どんより曇りの日が続くこともあり、何かと気が乗らないことも多くなるこの季節。それは私たち人間だけでなく、実は電気製品も同じなのです。今回は、梅雨時期に気を付けていただきたい電気製品の使い方についてご紹介したいと思います。
■水没・浸水した電気製品を使ってはいけない?
近年、しばしば発生している大雨災害では、電気製品が水没したり浸水してしまったりというケースが非常に多く発生しております。このような場合には、まず製品の電源プラグをコンセントから抜いて、使用しないようにしてください。これは水の中を電気が通るため、電気製品内部の電気回路に水が付いてしまうと、流れてほしくない箇所にまで電気の流れる道ができ、電気が流れることで回路がショートする可能性があるからです。
水と電気の関係をもう少し詳しく解説しますと、「純水」と呼ばれる不純物の入っていない水は高絶縁体ですので、電気を通しません。ところが、私たちが普段使用している水には、塩素をはじめさまざまなものが混じっています。そうなると、これらの不純物により電気の通る道が出来上がり、特に泥水などでは泥が電気製品の細かなところまで入り込んでしまいますので、モーターなどが動かなくなることも少なくないのです。
また、一度水没したけれど乾いたから、と電源を入れるのも避けるようにしましょう。漏電や火災に繋がる危険性もあります。
■梅雨の時期に特に気を付けたい「製品火災」
火事の発生が多いのは乾燥する冬期だと思いがちですが、梅雨の時期も電気製品から発火する「製品火災」の発生件数が多いのです。実際に神戸市が発表している情報によると、ここ最近の10年間では火災発生件数そのものは少ないものの、そのうち製品火災発生件数は冬期の1月に次ぎ多くなっているということです。
梅雨の時期に多い製品火災では、エアコン洗浄液残留によるものが主となっています。夏に向けてエアコンを掃除しておこうと、専用の洗浄スプレー液を使うことを考えている方は要注意です。洗浄液の一部が室内機に残留することがあり、それが電源基盤に付着すると結露に繋がりトラッキングを起こして火災に発展するというケースも少なくありません。
他にも、コンセント周りの湿気と蓄積されたホコリが原因となり、こちらもトラッキング現象の発生から出火した、という事例もあるようです。
■「除湿」で製品火災を防ぎましょう
電気製品からはじまる火災を防ぐためには、普段から周辺の掃除を行い、ホコリが詰まらないように努めることが大切です。それに加えて、室内の湿度が高くなり過ぎないように「除湿」することも重要なポイント。湿気は、電気製品内部の結露だけでなく、劣化やサビの原因ともなり、ショートへと繋がる可能性が大きくなります。最悪の場合は火災にもつながりかねませんので、日ごろからしっかりと湿度対策を施しましょう。おすすめの方法は、
・換気により空気を循環させる
・除湿グッズや除湿機を活用する
などです。梅雨の時期には換気以外の方法で湿気対策をするのがベターでしょう。さらには、購入してから5年以上経過した電気製品は、絶縁体の劣化による漏電が起こることもありますので、製品火災予防に買い替えを検討しても良いかもしれません。
■まとめ
梅雨の足音が聞こえるこの時期にこそ、電気製品周りの掃除やメンテナンスをしっかり行っておくのがベストです。その際には、除湿機などを活躍させて、室内の湿度管理にも気を配りましょう。未然に製品火災を防ぐことができる上、そのあとにやってくる暑い夏にエアコンが突然故障!という事態になる可能性も低くなります。