電気で走る電気自動車とは



生活のあらゆる部分で電気をエネルギーとした機械が活用されていますが、未だ電気エネルギーが主流になっていないのが自動車業界です。


「EVカー」として知られる電気自動車はここ何年かで注目を高め一般販売もされているものの、その普及は十分には及んでおらず、いまだモーターショーの中の夢の車というイメージが強いかと思います。


そんな電気自動車をより身近に感じていただけるよう、どのような技術なのか、今後私たちの生活にどのように影響してくるのか紹介していきたいと思います。




1. 電気自動車とは


電気自動車の仕組み




みなさんも一度は聞いたことがある電気自動車、どんな車だかわかりますか?なんとなく電気で走っていて、環境にいいのだろうなということは分かると思います。


電気自動車を分かりやすく言うとモーターで動くミニ四駆のような車です。従来はガソリンエンジンやディーゼルエンジンといった内燃機関が搭載され、燃料を燃やしたエネルギーを機動力に走っているのですが、電気自動車にはそういったエンジンは搭載されておりません。


ではどのようにして動くのかといえば電気を蓄えるバッテリーとタイヤを動かすモーター、そしてそれを制御するコントローラーの3つで構成されて、走ることが可能になります。



電気自動車の歴史




電気自動車と聞くと先進的なイメージがありますが、実はガソリン車よりも早く登場した車なのです。


世界初の電気自動車は1830年代に誕生したと言われています。当時のものはあくまで電気自動車の原型であり実用化されませんでしたが、1873年には、イギリスで最初の実用的電気自動車が誕生した後、開発・普及が進み、1900年代にはアメリカでは自動車生産台数の40%を電気自動車が占めるほどに成長しました。


それ以降は急激なモータリゼーションによりガソリン車の普及によって衰退しますが、深刻な大気汚染によって注目が高まり、それにガソリン車が対抗して排ガス技術が発展し電気自動車の優位が低下するといった、これまで過去3度にわたる繁栄と衰退を繰り返してきました。




2.なぜ今電気自動車は注目されているのか


まず、電気自動車を使うたくさんのメリットとして、特に注目すべき点が2つあります。


排ガス0のエコカー

もちろん、ガソリン車は二酸化炭素を排出するのに対し電気自動車は二酸化炭素の排出は0なので地球温暖化の抑制に貢献します。


2015年のパリ協定をきっかけに各国で自動車電機化政策が発表され、日本でも電気自動車の開発・購入を支援するなど、温暖化対策の鍵を握る自動車の電動化に世界中から注目が集まっています。





ガソリン車よりも経済的

ハイブリットカーの出始めがそうだったように、販売価格が高いため環境に良いというだけではなかなか手を出しにくいと考える人が多いのではないのでしょうか。しかし、電気自動車はガソリンを必要としないため、税金の面で非常に優れています。


自動車所得税や重量税が全くかからないため10万円程度免除されることになります。維持費に関しても、ガソリン車であればひと月1000㎞走行するのに燃料代は11,000円程に上りますが、電気自動車の場合2,000円程度に抑えられる上、エンジンが搭載されていないためオイル・フィルター交換といった消耗品の交換費用がかかりません。そのため、電気自動車は実はお財布にも優しい車なのです。




3.今後の展望




電気自動車はこれまで何度か注目されては市場から消えるほど政策や情勢に左右されやすいビジネスでしたが、温暖化問題がより深刻になった現代において電気自動車の活用がいよいよ実現されることが期待されます。


一方、電気自動車の普及がわずかであるという現実には、電気自動車は自宅で充電できる環境を整える必要があることや航続距離がガソリン車よりも短い、一回の充電は給油の6倍から10倍の時間がかかるといった点で、残念ながら従来のガソリン車と同じようには使えないという課題があります。


電動化技術の進化とインフラ整備という課題をクリアすれば、近い未来多くの電気自動車が街を走る日が来るのではないでしょうか。