タコ足配線による火災を避けるために知っておくべきこと



4月に入り新生活を始めた方も多くいらっしゃるでしょう。引っ越しをしたり、新社会人になったり、大学に入学したりと4月は心機一転、新しいことを始めるのにうってつけの季節です。家電量販店でも「新生活応援キャンペーン」などと題して家電のセールをしています。掃除機や冷蔵庫を買い換えたり、新しい電化製品を導入した方も多いのではないでしょうか。


家電の種類はテクノロジーの進化とともに顕著に進んでいます。その分、問題になっているのが「コンセントの数が足りない」ということです。延長コードなどを駆使して補うしかないでしょう。いわゆる「タコ足配線」の状態になってしまいがちです。しかし皆さんも承知の通りタコ足配線は火災の原因にもなる危険な状態でもあります。


そこで今回はタコ足配線がなぜ危険なのか? また安全な使用方法についてご紹介しますので、ぜひご覧ください。




■タコ足配線の部品と役割について




タコ足配線の正式名称を「テーブルタップ」です。延長コードが代表値駅ですよね。コンセントから離れた場所、もしくは複数の電気器具に電源を供給するために使用される電気器具のことを指します。またスイッチがあるタイプの場合、電気が通っているかを識別するために「パイロットランプ」という部品があるのが特徴です。


その他、あまり知られていない部品として雷防止機能があります。落雷によって室内に大量の電気が流れ込む可能性があります。すると一時的に大きな電流が流れる可能性があるのですが、ブレーカーに機能により進入を防げるのです。


また最も重視しなければいけないのが「サーキットブレーカー」です。実はタコ足配線には「定格電力」といって流すべき電力の量が決まっています。サーキットブレーカーは定格電力を超える電気が流れた際に自動で超過分の電気をシャットアウトしてくれる設備になります。事故リスクを防いでくれる役割があります。




■定格電力を上回ってしまうと火災の危険が




この「定格電力」が、実は火災の原因になり得ます。超過分の電力まで流れてしまうので、発火する危険が高まってしまうのです。一般的なタコ足配線の場合、定格電力は15アンペア(1,500ワット)です。しかし一般的に家電のアンペア数やワット数を理解している方は少ないでしょう。軽く例を挙げます。


スマートフォンの充電=15ワット

DVDプレーヤー=30ワット

加湿器=最大320ワット


このような小型の電化製品ならば、そこまで巨大な電力を使うわけではありません。しかし以下のような電化製品を使う場合は注意が必要です。



掃除機=1,200ワット

アイロン=1,200ワット

電子レンジ=1.300ワット

炊飯器=最大1,200ワット


つまり炊飯器でお米を炊きながら掃除機をかけると、合計で最大2,400ワットとなり、上限の1,500ワットを超えてしまいます。火災につながる可能性もあり、危険ですので、直接おおもとのコンセントを使用しましょう。




■タコ足は常に掃除をしておこう




また火災につながりやすい理由に「ラッキング現象」があります。これはホコリや害虫などが差し込み口の隙間から入り込んでしまい、プラグの刃がショートしてしまう現象を指します。電気がホコリや害虫を通ってしまうのです。その結果、巨大な電流が流れてしまい、発火する危険性があります。


延長コードなどはただでさえ床に置きっぱなしにしてしまうことがよくありますので、こまめに掃除をして美しさを保っておきましょう。大きな事故の予防にもつながります。また使わない時はカバーをかけておくことも効果的です。




■安心して新生活を始めるために




タコ足配線が危険だといわれているのは、定められた使い方をしていないからであり、きちんとルールを遵守すれば安全かつ便利なツールであることは間違いありません。


定格電力を守りながらこまめに掃除することで、安心して使える設備を維持しましょう。